2023年12月12日、トルコ・アンカラ
トルコ共和国原子力規制庁(NDK)理事会は、アックユ原子力共同株式会社(アックユ原子力発電所建設プロジェクトを実施する国営企業「ロスアトム」の会社)に対し、1号機の試運転許可を与えた。

「許認可は、立地選定、設計、建設、運転、廃炉といった原子力発電所のライフサイクルの全工程に及ぶ、極めて重要な段階と言えます。アックユ原子力発電所は、トルコ国内初の原子力発電所ですから、私たちにとって許認可のプロセス自体、初めての経験になります。
ロシアではすでにVVER-1200型原子炉を搭載した類似の発電所4基が成功裏に運転されており、我が国の規制当局は、許認可証その他認可文書の発行をロシアの経験に依拠しています。トルコ原子力規制庁によるアックユ原子力発電所1号機の試運転許可の決定によって、この事業がトルコの法律と原子力発電所建設に関する国際基準を遵守し、すべての要件を満たしていることが証明されましたので、事業を続行します。
申請書類の準備にあたった当社の専門家、審査いただいたNDKの専門家、そして、何より、1号機の試運転の準備をされてきた建設業者や据付業者の方々のご尽力に感謝します。アックユ原子力発電所1号機の試運転免許の取得で、このプロジェクトは、重要かつ責任ある新たな段階に入りました」。
このようにアックユ原子力共同株式会社アナスタシア・ゾテエヴァ社長はコメントした。
アックユ原子力発電所の許認可の次の段階は、第一発電ユニットの運転免許の取得である。これが取得できれば、原子炉への核燃料の装荷が開始され、起動前の点検作業を開始できるようになる。現在、アックユ原子力共同株式会社の専門家は、許認可申請の技術文書の作成にあたっている。
参考情報:
アックユ原子力発電所は、トルコ共和国初の原子力発電所である。アックユ原子力発電所プロジェクトには、ロシア設計のVVER第3+世代原子炉を備えた4基の発電ユニットが含まれている。各発電ユニットの容量は1200MWである。
アックユ原子力発電所の建設は、BOO方式(Build Own Operate=建設・運営・所有)で実施される、世界の原子力業界で初のプロジェクトである。
ロシア連邦とトルコ共和国間の政府間協定に基づき、原子力発電所1号機の試運転は、1号機建設に関するすべての許可取得後7年以内に実施されることになっている。2018年1号機建設許可取得から考えると、その期間は2025年になる。また、プロジェクト参加者は、トルコ共和国の建国の記念年にあたる2023年に1号機の試運転が開始できるよう、あらゆる努力を行っている。
世界的にもロシア国営原子力企業ロスアトムは、建設中の原子力発電所の数で他のベンダーを牽引している。ロスアトムの受注実績は、10カ国33プロジェクトに及ぶ。ロスアトムは、原子力発電の分野で幅広いプロジェクトの実施を可能にする総合的リファレンスソリューションをパートナーに提供している。同社は、原子力インフラの構築に参加し、有資格者を養成し、サプライチェーンの構築を進め、燃料供給を確保し、原子力発電所の運営やサービスの専門的支援を行っている。
ロシアは、各国との建設的な対話を続け、世界のあらゆる国々との協調関係を進展させながら、国際関係の多極構造の形成に積極的に関わっている。国外の大規模なエネルギープロジェクトも進められている。ロスアトムとそのグルー企業は、この課題に積極的に取り組んでいる。