ロシア国営原子力会社ロスアトムのアレクセイリハチョフ社長は73日、ドミトリーメドベージェフ首相と会談し、2017年の同社の活動報告を行った。同社長は、同社が2017年にソ連崩壊後最大となる発電量を記録したこと、全世界の原子力発電所建設分野でのシェアが67%に達したことなどを報告した。

同社長によると、2017年のロスアトムの発電量は約2,030億キロワット時(kWh)で、ソ連崩壊以降最大を記録した。ソ連時代の最大発電量は2,120kWhで、この発電量も近く追い越す見通し。国外での活動については、2017年にパラグアイ、ザンビア、カンボジア、バングラデシュ、ウズベキスタンの5カ国と協力の基礎となる枠組み協定を締結。国外での受注高は20172018年と2年連続で1,330億ドルを超え、売り上げも60億ドルを維持する見込み。現時点で全世界の原発建設分野のシェア67%となる35基の原子炉建設契約(国家間協定含む)を締結している。

ロスアトムの民生分野での売り上げは前年比微減(注)の8,620億ルーブル(14,650億円、1ルーブル=約1.7円)。同社長は好調な業績により同社への政府補助金が過去2年で20132015年比の50%減の760億~770億ルーブルとなり、政府財政の負担軽減に貢献していること、自己資本による投資が2017年には2,540億ルーブルに達したことを強調した。201816月期では売り上げが前年同期比7%増、国外での売り上げが9%増、粗利益は8%増を見込む。

リハチョフ社長は今後の国外での活動について、6月のプーチン大統領の中国訪問時に締結された中国江蘇省と遼寧省での4基の原子炉建設案件の見通しや、ウズベキスタンでの原子力発電所建設案件(2018614日記事参照)が政府間協定締結交渉の最終段階にあることを報告したほか、サウジアラビアとも対話を開始しており、従来型の大型原子炉だけでなく、中小規模の原子炉についても協力の可能性があることを明らかにした。