世界原子力協会の招聘で、ロスアトムは、2050年までに世界の原子力発電容量を3倍にすることを目指す原子力産業の声明「原子力産業のネット・ゼロ誓約」に参加した。原子力のリーダーのイニシアチブで作成されたこの声明文には、クリーンで低炭素な電力を生み出し、気候変動に向き合う上で原子力産業が果たすべき重要な役割が強調されている。


原子力事業者の声明文は、気候変動枠組条約第28回締約国会議(UNFCCC COP28)の公式プログラムの一環として開催されたイベント「COP28 Atoms4NetZero: Accelerating Nuclear Energy Deployment」の中で発表された。この声明は、各国政府、開発銀行および世界銀行に対し、原子力発電プロジェクトが他のクリーンエネルギー源と同等の立場でグリーンファイナンスを利用できるようにすることを求めるものである。この資金支援により、原子力発電事業者は世界中で発電能力を拡大し、気候変動の緩和に大きく貢献することができる。

ロスアトム国営企業第一副事務局長兼開発・国際事業部長のキリル・コマロフは、脱炭素化目標に対するロスアトムのコミットメントを強調した。「原子力発電は、脱炭素化目標を達成するための実証済みの迅速かつ持続可能なソリューションです。原子力産業事業者の声明に参加することで、2050年までに原子力発電容量を3倍にするために各国政府や関係者と協力する弊社のコミットメントを再確認します。このイニシアチブは、持続可能なエネルギーの未来に向けたビジョンに沿ったものであり、私たちは、目標達成のために意思決定をした政府を歓迎します」。



世界原子力協会のサマ・ビルバオ・イ・レオン事務局長は、「ネット・ゼロ原子力産業誓約イニシアティブに対する100社を超える企業の支援は、今週初めに原子力に関する閣僚宣言に署名した各国が示した野心と現実主義に沿うものです。ともに力を合わせれば、2050年までに原子力発電容量を少なくとも3倍にする目標を達成することができるでしょう」と述べた。
ネット・ゼロ原子力産業誓約声明の参加者は、迅速で深い脱炭素化の原子力の経験が、ゼロ・カーボン目標を達成するための重要なツールになることを、ネット・ゼロ原子力産業誓約イニシアティブの参加者は、認識している。彼らは、原子力発電施設の物質的容量が最低限であることや、原子力発電所は立地が節約できることに注目し、革新的な資金調達メカニズムを含め、原子力発電プロジェクトへの投資を動員し、支援することを約束している。ロスアトムを含め、原子力産業各社は、2050年までに原子力発電容量を少なくとも3倍にするという目標を達成するため、既存の稼働中の原子力発電所の能力を最大限に増やし、新しい原子力技術の開発を安全で責任ある信頼できる方法で、加速させることを約束している。
声明の参加者たちは、これらの目標に向けた進捗状況を毎年評価することを約束し、持続可能な低炭素エネルギーの未来への移行を支援するため、他の企業にも参加を促す意向である。
参考情報
国連気候変動会議は、気候変動問題に焦点を当てた最大のフォーラムであり、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)、京都議定書(KP)、パリ協定(PA)の条項を実施するための最高交渉機関でもある。

ロシア国営原子力企業ロスアトムは長年にわたり、持続可能な開発を念頭に事業を展開している。ロスアトムの長期戦略には持続可能な開発の原則が導入されている。2020年、持続可能な開発に関する統一産業政策が採択された。同年10月、ロスアトムは、企業の社会的責任と持続可能な開発の分野におけるビジネス最大の国際的イニシアティブである国連グローバル・コンパクトに参加した。ロスアトムはロシア国内の総発電量の約20%を生産し、ロシア最大の低炭素電力生産企業となっている。


ロシアでは環境保全を目的とした新技術の開発と導入にますます関心が高まっている。低炭素発電を行うロスアトムは、一貫してグリーン経済への移行を進めている。自然への悪影響を減らし、生物資源を保護し、補充する。これらすべてが、ロシアの原子力産業の優先的な環境保護課題である。原子力産業は、環境に優しいエネルギーを生成するために、設備の近代化に細心の注意を払っており、環境保護の対策に毎年数億ルーブルが費やされている。
ロスアトムは、森林再生、河川堤防の清掃、水域の放流に取り組むなど、地球の生物多様性を守る様々なプロジェクトに参加している。原子力発電は、発電時にCO2を排出しないため、気候変動との戦いに大きく貢献することができ、これは多くの国にとって非常に重要である。



ロシアは友好国との協力関係を積極的に進展させている。外的制約にもかかわらず、ロシアの国内経済そのものは輸出能力伸ばしており、世界中に商品、サービス、原材料を供給している。大規模な海外エネルギープロジェクトも引き続き実施されている。ロスアトムとその担当部門は、この課題に熱心に取り組んでいる。