ロスアトムの燃料会社TVELの企業であるエレクトロスタリ機械製造工場(株式会社MSZ)は、中国の旗艦高速中性子炉プロジェクトであるCFR-600用核燃料の初出荷を実施した。

株式会社TVELのオレグ・グリゴリエフ・営業国際事業担当副社長は「CFR-600原子炉燃料製造プロジェクトは、実施開始から3年経ちました。その複雑さと革新性は他に類を見ません。ロスアトムの燃料会社TVELは、CFR-600シリアル燃料の供給義務を厳格に履行しています。原子炉起動時装荷のため、最初の燃料集合体を顧客宛に出荷しました。燃料会社は、非標準的な条件下で複雑なプロジェクトを実施する準備ができており、パートナーの要求に対して柔軟に対応できることを改めて確認しました。弊社は中国における互恵的協力のさらなる発展のために大きな可能性を確実に見出しています」と指摘した。

MSZでは2021年、CFR-600ウラン燃料生産が立ち上がったが、そのために高速炉用燃料集合体製造エリアの整備とユニークな設備が開発・導入された。2021年末に、制御・保護系集合体のモックアップは原子炉模擬環境試験のために顧客宛に出荷された。

年末までに、原子炉起動用燃料と初回再装荷用燃料の2つのロットの顧客への出荷も予定されている。

参考

CFR-600燃料供給契約は、中華人民共和国領土における高速中性子実証炉の建設および運転における協力に関するロシア連邦政府と中華人民共和国政府との間の協定実施の一環として、201812月に締結されたものである。これは事実上、今後数十年にわたる原子力分野での大規模な包括的協力プログラムの一部である。特に、CFR-600プロジェクトでの協力に加え、中国の2カ所(田湾原子力発電所と徐大堡原子力発電所)に第3+世代VVER-1200原子炉を搭載したロシア最新型発電ユニットの建設も含まれている。これらのプロジェクトに関する政府間文書群は、2018年の首脳会談で署名された。