925日(水曜日)及び26日(木曜日)、経済産業省は、第2回水素閣僚会議、第1回カーボンリサイクル産学官国際会議、LNG産消会議2019を開催しました。水素閣僚会議では、グローバルな水素の利活用に向けた政策の方向性について議論を深め、各国の水素・燃料電池に関する行動指針として「グローバル・アクション・アジェンダ」を議長声明として発表しました。第1回カーボンリサイクル産学官国際会議では、菅原大臣から、相互交流の推進や、実証研究拠点の整備、国際共同研究の推進からなる「カーボンリサイクル3Cイニシアティブ」を発表し、各国とのコラボレーションの推進の第1号として、オーストラリアとの間で、カーボンリサイクルに関する協力覚書を締結しました。LNG産消会議2019では、菅原大臣が冒頭スピーチにおいて、LNG関連設備に対する100億ドルの追加資金供与と、LNG輸入国に対して追加で500人の人材育成を実施することで、新しい供給源とアジアの需要を結びつけ、LNG市場の発展を先導することにコミットしました。

1. 2回水素閣僚会議

1)概要

日 時

925日(水曜日)

場 所

ホテルニューオータニ 東京

主 催

経済産業省及びNEDO

参加人数

600

参加国等

35の国・地域・機関等

(アラブ首長国連邦、アルゼンチン、イタリア、インドネシア、英国、欧州委員会(EC)、オーストラリア、オマーン、オランダ、カナダ、韓国、国際エネルギー機関(IEA)、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)、コスタリカ、サウジアラビア、水素協議会、スペイン、タイ、タンザニア、チリ、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェー、パキスタン、バングラディッシュ、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)、フィリピン、フランス、ブルネイ、米国、ベトナム、ポーランド、モロッコ、ロシア)

2)議論の内容

水素は、エネルギーシステムの脱炭素化を実現するキーテクノロジーであり、世界各国で水素利用に向けた様々な取組が進められています。今年6月のG20での成果も踏まえ、午前中の閣僚セッション、午後の企業及び国際機関セッションの二部構成で、第二回目となる水素閣僚会議を開催しました。会議では、前回発表した議長声明、「東京宣言」に関する官民の取組状況を共有するとともに、水素社会実現に向けた今後の取組の方向性について議論を深化させました。

①閣僚セッション

グローバルな水素利活用に高い関心を持つ国・地域・機関の代表が一堂に会し、前回の会議で今後の施策の方向性として示された「東京宣言」に関する各国・地域・機関の取組状況を共有しました。その上で、グローバルな水素の利活用に向けた政策の方向性について議論を深め、各国の水素・燃料電池に関する行動指針として「グローバル・アクション・アジェンダ」を議長声明として発表しました。

【グローバル・アクション・アジェンダのポイント】

・世界目標の共有(例:今後10年間で水素ステーション10,000か所、燃料電池システム1,000万台等)(“Ten, Ten, Ten”)、モビリティ分野におけるインフラ整備・市場拡大

・水素の海上輸送拡大に向けたルール整備、貯蔵・輸送のための技術開発

・水素発電や産業利用といった多様な分野での水素利用の促進に向けた技術の実証

・国際機関によるロードマップや水素需要見通しの策定

・今後の水素利用拡大に向けた情報共有や啓蒙活動

②企業及び国際機関セッション

IEAIPHE(国際水素・燃料電池パートナーシップ)などの国際機関や世界のリーダー企業から、分野横断、モビリティ、サプライチェーン、セクターインテグレーションの4つの分野における世界の最新動向や水素の利用拡大に向けた展望について講演を行うとともに、午前中の閣僚セッションにおいて各国の行動指針として発表された「グローバル・アクション・アジェンダ」を踏まえ、各セクターが今後実行していくべき取組についてパネルディスカッションを行いました。

3)二国間の協力関係等の構築

会議に参加した各国及び企業と今後の取組について個別に意見を交換し、アルゼンチンの財務省エネルギー政府事務局とは、再生可能エネルギーによる水素製造、水素戦略ロードマップの整備、中・長期的なコスト低減の方策などについて、専門家間による情報交換、知見の共有などを推奨していくための協力覚書を締結しました。

また、オランダの経済・気候政策省とは、水素政策や水素の利活用に向けた取組、水素戦略ロードマップ、国際的な水素サプライチェーンの創出、技術開発等の分野において、政府、産業界、研究機関が協力していくための協力覚書を締結しました。

加えて、ロシアのロスアトム・オーバーシーズ社とは、水素サプライチェーンに関する実現可能性調査を行うことについての協力覚書を締結しました。

今後、より一層国際連携を強化していきます。