ロシア国営民生用原子力発電公社のロスエネルゴアトム社は522日、世界で唯一の海上浮揚式原子力発電所(FNPP)として、ロシア極東地域チュクチ自治管区内のペベクで試運転中の「アカデミック・ロモノソフ号」が営業運転を開始したと発表した。同社のA.ペトロフ担当理事が、FNPP建設プロジェクトは無事に完了したとして関係する法令に署名、同FNPPは同日付で世界最北端に位置する同国原子力発電所の一つに正式承認された。

アカデミック・ロモノソフ号は、電気出力3.5kWの軽水炉式小型炉「KLT-40S」を2基搭載するバージ型原子力発電所(タグボートで曳航・係留)で、合計出力は7kWである。全長140m、幅30m、総重量21,500トンで耐用年数は40年間。燃料資源が乏しくその輸送も難しい場所での利用に適しているほか、大型河川の川床にも係留可能なため、ロシア極東地域のみならずアジア太平洋地域の島嶼部などで利用することができる。